Poster "THE HUNT"
2024 |
作品説明
BOOMRANNG「COSMICPUNK展」より
この作品では、闇の太陽「ダークサン」の存在を信じる「信奉者」たちが、その存在を自らの目で発見するために定期的に「ハント」(挑戦/探索)に出る様子が描かれています。彼らは、唯一ダークサンを発見したとされる旅行者の条件を再現しようと試みます。旅行者がハイパースペースで迷子になった正確な瞬間と場所に合わせてハントを行います。作品には、この非常に危険な探索「ハント」に参加するためにコズミックパンクの宇宙の隅々から集まった存在たちが描かれています。作品の下部には墜落した宇宙船が描かれ、このイベントの高い失敗率を示しています。 ハントは、「探求と発見」の精神を象徴しており、その本質的な危険性を示しています。脆弱であることは困難ですが、偉大なことを成し遂げるためには、快適な領域から抜け出し、困難に挑戦する必要があります。リスクが大きくても、その報酬はさらに大きいのです。「ダークサン」の探索という目的に身を捧げることは、それ自体が人生を変えるものであることを示しています。
Curatorial Notes
物語が私たちをつなぐ 世界最大の人口約14億人を擁するインドは、多様な文化、言語、宗教が共存する国です。インドには地域や宗教ごとに異なる神話や物語があり、これらは人々の日常生活や精神的な営みに深く根付いています。例えば、ディーワーリーやホーリーなどのお祭りは古代の神話に由来し、コミュニティ全体で祝われます。このような行事は、アイデンティティの形成を促進し、異なるコミュニティ間の相互理解を深め、社会に調和をもたらします。
急速に経済成長を遂げた大都市、例えばデリーやムンバイでは、現代的なライフスタイルが普及し、大型ショッピングモールやエンターテインメント施設が充実しています。しかし、グローバリゼーションやテクノロジーの発展による近代化に伴い、若年層が独自の伝統文化や古来の神話や物語に触れる機会が減少しています。このような状況は、近年の日本でも多く見られています。伝統と革新のバランスを保ちながらも自国の文化を次世代に引き継ぐことは、インドと日本のみならずグローバルな課題と言えるでしょう。 こうした課題を背景に、BOOMRANNGは「COSMICPUNK」という現代の神話を創り出しています。彼らは古代から現代に至るまで変わらない人間の本質や感情を描き、現代の私たちにも共鳴を呼ぶ価値観を示しています。私たちは本展覧会を通して、彼らが作品に込めた未来への希望が多くの方々へ届くことを願っています。