作品説明
ORGM シリーズ
ORGMシリーズはIWAZAKIの独自の技法により誕生した作品になります。作家の特徴でもある自由で伸びやかな曲線を描いた紙を折り、さらにその柄を忠実に木製のパネルに書き写し、独創的な立体作品へと昇華しています。各々の作品が唯一無二の形状を有しているのは、全に同一の形態は存在しないという自然の法則に魅せられるだけでなく、「既成概念にとらわれることなく、自己の道を歩む」IWAZAKI自身の哲学も作品に反映されています。また、作品は日本の伝統的な墨画や禅の教えを彷彿とさせるものでもあり、モノクロームの潔さが内面の深遠を映し出します。今回の展示はIWAZAKIがこれまでに磨き上げてきた技法の集大成であり、さらなる高みへと挑んだ三位一体の変形パネルの新作を発表します。これは「不均衡ながらの調和」という禅の哲学を体現しています。そして緻密に施された描写と力強いブラシワークの質感の対比が、作品の存在感を強調し、観るものに内省と対話を促す作品となっています。
アーティスト
TAKERU IWAZAKI
静岡を拠点に活動するアーティスト。ストリートカルチャーや実験的なアブストラクトヒップホップに影響を受けて創作を始める。水の流れや樹木の佇まいなど、自然界の現象にインスパイアされ、鑑賞者に没入感をもたらす「FLOW（流れ）」をテーマの1つとして、万物が放つエネルギーを伸びやかな線に集積させる。黒を基調とした線と線がセッションする如く互いに響き合い、緻密に拡がるドローイングを特徴とする。個展をはじめとして、壁画やライブペインティング、DJやファッションブランドとのコラボレーションなど、多岐にわたる媒体で横断的に作品を発表している。