
witness 「日常生活にある美を愛する芸術家 」
日常の美しさを見つめる
私たちは“ここではないどこか”に喜びや美しさを求めがちだ。
しかし、実は足元に目を向ければ、そこには美しく愛しい風景が広がっている。
例えば、家族や友人との時間、日々の中で感じる小さな喜び、四季折々の風景。
これらはすべて「今、ここ」にしか存在しない特別なもの。
witnessの作品は、そんな日常にある見落としがちな美しさを思い出させてくれる。

ルーツ 1: 感性の原点
「子供のころは父親からの影響でアニメ、マンガ、特撮、ゲーム、プラモデルといったものにずっとハマっていて、
チラシの裏に落書きしたりノートにマンガを連載して自分一人で楽しんでいました。
内容はほぼドラゴンボールなんですが(笑)。ガンダムやウルトラマン、仮面ライダーは今でも大好きです。
ゲームソフトのパッケージにはポップなイラストが多かったのですが、
天野喜孝さんが描かれたファイナルファンタジーシリーズには、
これまで見てきたものとは違う繊細なタッチや色の使われ方に衝撃を受けました」
ルーツ 2: 福岡の多様な文化とアジアとの交流
witnessが生まれ育った福岡市は、九州地方の経済と文化の中心地であり、
豊かな歴史と現代的な魅力が融合する都市です。
古代から重要な交易拠点として栄え、現在ではITやスタートアップの拠点としても注目されています。
「福岡は九州各地から人が集まることもあって、アーティストがとても多い地域です。
ギャラリーもここ数年で増え、注目が集まっています。
また、福岡はアジアとの玄関口とも呼ばれていて、韓国の釜山とは飛行機で50分の距離なので、
よく遊びに行きます。
現地の友達とお互い行き来し、美味しいものを紹介しあったり、文化の違いを知ることがとても楽しいです」

花のモチーフについて
「活動初期は線や模様などの抽象画を描いていたのですが、
モチーフを取り入れる練習として花を描き始めました。
草花がフレッシュなエネルギーを伴いながら成長し、
時の流れとともに枯れていく中で、色やかたちが変わっていく美しさ。
それは人間の年齢や老いていく姿にも重なって見えます」
絵を描くうえで大事にしていること
「偶然性も大事にしています。
例えば、刷毛のストロークやマスキングテープの位置などです。
10代の頃、ロックやパンクロックが好きでよく聴いていたので、
上手く表現できなくても最初に感じたことはとても大切にしています。
なので描き損じや一筆目のラインを好んで残すことが多いです」
